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映画『パパは、出張中!』(1985年ユーゴスラビア) [映画]

原題:OTAC NA SLUZBENOM PUTU / WHEN FATHER WAS AWAY ON BUSINESS

『アンダーグラウンド』のエミール・クストリッツァ監督作。
こちらもカンヌ映画祭でパルムドールを受賞しています。

1950年代初頭のサラエヴォ。
チトー大統領統治下のユーゴがスターリン体制から離れていく時代を背景に、サラエヴォのある一家の物語を少年の目を通して描いてあります。

最初は私の中のクストリッツァのイメージとはちょっと違っていて少し戸惑った。
政治的な部分がある悲喜劇という点では『アンダーグラウンド』に近い気もするけど、その圧倒的なパワーを感じさせる作風とは違い、こちらはとても静かで淡々とした雰囲気です。

ユーゴスラビアの歴史について知らないと分かりにくいこともあり、台詞も少なく淡々としてるため最初はちょっと退屈な感じもする。
でもストーリーが進むにつれ徐々に引き込まれていく。
父親はある発言が元で連行されてしまうのですが、その発言はちょっとした軽口と言っていいもので、そんなことで連行されてしまう政治体制っていうのは凄く怖いものがあり考えさせられます。
最後の「政治なんてくそくらえ」っていう台詞がとても印象的だった。

そういう政治的な批判を絡めつつ、マリクの家族の関係が描かれています。
特にマリクと父親との関係がとってもステキ!
マリク君、ちょっとぽっちゃりしてるけど顔はちょっと大人びているという不思議なバランスがなんともいえずカワイイ。
彼が夢遊病で夜中に歩き回るっていうエピソードが面白かったな。
父親メーシャのキャラクターもとても人間味があってとても良かったです。(『アンダーグラウンド』のマルコ役のミキ・マノイロヴィッチが演じています)

クストリッツァ監督の定番?ってな感じの結婚式のシーンもあったりしてファンにはうれしい。
あと哀愁漂う音楽ももちろん最高なのです。


パパは、出張中! [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 東北新社
  • メディア: DVD



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