映画『ペパーミント・キャンディ』（1999年韓国・日本）

原題： PEPPERMINT CANDY

イ・チャンドン監督が『オアシス』の前に撮った作品。
主演はソル・ギョング、そして『オアシス』のムン・ソリのデビュー作でもあります。

めちゃくちゃ切なくて哀しくて心が痛くなる作品でした。

冒頭の場面、自殺する直前の「あの日に帰りたい」というヨンホの言葉。
そこから回想するようにヨンホの人生が現在から過去へと遡って語られていく。
彼の過去にいった何があったのか？彼はなぜ自殺したのか？
自然とストーリーへと引き込まれます。

ヨンホが死を選ぶことが分かっているからこそ彼のどうしようもない行動もなんだか見ていて切なかった。

結局彼が自殺した原因ははっきりとは語られない。
彼の運命を大きく替えることとなる大きな事件があったのだけれど、その後何度もやり直すチャンスはあったと思う。
でも彼は結局それが出来なかった。
たぶんあの時点で彼の中の何かがもう終わっていたのかもしれない。
彼の人生を狂わせたのは時代や世間などの大きな力のせいでもあるのだけれど、それが彼自身のせいでもあることに気づいたのではないかな。
そしてもうあの幸せな時には戻れないことにも。。
だからこそ死という道を選んでしまったのかなと思った。

２０年前の美しい日、これから起こることなど知らないヨンホはふと何かを感じ取ったかのように涙を流して映画は幕を閉じます。
めちゃくちゃ印象的で素晴らしいラストシーン。
彼のその後を想い泣けて来た。

それにしてもソル・ギョングは凄い！
今回も一人の男の２０年間を演じきっていて本当に素晴らしく圧倒されました。

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タグ：韓国映画 イ・チャンドン ソル・ギョング ムン・ソリ