SSブログ

映画『ある子供』(2005年ベルギー=フランス) [映画]

原題:L' ENFAN / THE CHILD

2005年のカンヌ映画祭パルムドール受賞作。
ベルギーの兄弟監督ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌの作品。
主演はジェレミー・レニエとデボラ・フランソワ。

◎ストーリー◎
定職にもつかず、少年達を使って盗みを働き、その日暮らしをしている青年ブリュノ。
ある日、子供を出産した恋人ソニアが病院から退院してくる。
自分の子供を見ても何の実感もないブリュノ。
ついにはお金のためにその子供までもを売り飛ばしてしまい...

◎感想◎
説明もなく、音楽も使われていず、淡々と主人公たちの行動を手持ちカメラで映していく。
エンターテイメント性は皆無だけど、心にずしっとくる作品です。
説明がない分、登場人物の気持ちだったり、背景だったりを凄く考えてしまったなぁ。

主人公のブリュノは本当にどうしようもない男。
極悪非道っていうわけじゃなく、ただただ愚かで無恥なのだ。
子供を売ることにしても、そこに、ほとんど罪悪感が存在していないところが凄く怖い。

でも、ブリュノほど極端じゃないにせよ、日本にだって大人になりきれない若者がたくさんいると思うし、自分だってまだまだの部分がたくさんある。
それに、年をとったり、母親や父親になったことイコール“大人”って分けではないんだよね。
そう思うと、感情移入は出来ないけど、彼のことを突き放してしまうことは出来ない。
ラスト、ほんの少しだけれど変化を見せたブリュノの姿になんだかほっとしてしまいました。
でも、まだこれで終わりない、これからが大切なのだと思う...

主人公ブリュノを演じたジェレミー・レニエがうまい!
どうしようもない今時の若者をめちゃくちゃリアルに演じています。


ある子供 [DVD]

ある子供 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD



nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0