映画『乙女の祈り』（1994年ニュージーランド=アメリカ）

原題： HEAVENLY CREATURES

『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソンが１９５４年にニュージーランドで実際に起きた驚愕の事件を映画化。
１９９４年のヴェネチア映画祭で銀獅子賞を受賞しています。

◎ストーリー◎
クライストチャーチの女子高に通うポウリーンは作家を夢見る無口で風変わりな女の子。
ある日イギリスから聡明な美少女・ジュリエットが転校して来た。
お互いの感性や孤独な心に共通点を見出した２人は意気投合し、他人を寄せ付けないほどの深い絆で結ばれるようになる。
ところがあまりの親密さを心配した周囲の人々は彼女達を引き離しにかかり...

◎感想◎
始めてこの映画を見た時、少女二人が血まみれで叫びながら走ってくるシーンからラストの殺人シーンまでかなりショッキングだった。

思春期の少女特有の空想癖と自分が特別だという思い。
それが行き過ぎて歪んでしまうとこんなにも残酷になってしまうのだな。
彼女たちの空想部分の美しいけどどこか狂気が混ざっているファンタジックな映像が見事。

２人の少女を演じたメラニー・リンスキーとケイト・ウィンスレットはこれが初映画だとは思えないぐらい役にハマってる。
ケイトのちょっとオーバー気味にも見える演技がジュリエットの病んだ感じをめちゃくちゃ引き出しているし、メラニー演じるポウリーンのあの母親を睨む目つきもめっちゃ怖い。。

娘が母親を殺すという実際に起こった事件を扱ってるし、それを糾弾するっていう感じの映画でもないから、万人受けする映画では無い。
でもこんな題材をグロテスクで美しくて切ない映画に仕上げてしまうピーター・ジャクソンはやっぱり凄い！
『ＬＯＴＲ』ももちろん凄いけど、この映画もかなり素晴らしいと思う。

あと、後日談としてこのジュリエットがのちにアン・ペリーという推理作家となったっていう話にも驚きました！

乙女の祈り [DVD]

• 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
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タグ：ニュージーランド映画 ピーター・ジャクソン メラニー・リンスキー ケイト・ウィンスレット