サラ・ウォーターズの前作「半身」は全体的に暗さがあって読むの苦労したけど(でも面白かった)、これはもうあっという間に読んじゃいました!

登場人物たち、特にスウの下町の仲間達が、みんな生き生きしていているのがいい。
心理描写もとても巧く、ドキドキ・ワクワクしっぱなし。
ロンドンの下町、モードの暮らす城、そして精神病院の描写もそれぞれすっごく雰囲気出ています。
さらにミステリーとしての大技もばっちり決まってるし、そこからクライマックスへの流れも見事。
最初から最後までテンポ良くてさくさく読めちゃいます。

舞台がヴィクトリア朝時代のイギリスで、ちょうどイギリスのそこらへんの時代の文学をまとめて読んでいるところなので、気分的にもぴったり合ってたんですよね。(解説読んでみると、ディケンズを意識しているらしいと書いてありました)

“このミス”1位ほか、去年のミステリランキングで上位だっただけはある!
とっても面白かったです♪


荊[いばら]の城 上 (創元推理文庫)

  • 作者: サラ・ウォーターズ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2004/04/22
  • メディア: 文庫



荊[いばら]の城 下 (創元推理文庫)

  • 作者: サラ・ウォーターズ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2004/04/22
  • メディア: 文庫