SSブログ

映画『それでも夜は明ける』(2013年アメリカ) [映画]

原題:12 YEARS A SLAVE

今年のアカデミー賞作品賞受賞作。
奴隷制度が蔓延っていたアメリカを舞台に、拉致され12年間も奴隷生活を強いられた黒人男性の実話を映画化。
監督は『SHAME』のスティーヴ・マックィーン、主演に『キンキー・ブーツ』のキウェテル・イジョフォー、共演にマイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチ。

「自由黒人」だったソロモンが奴隷として拉致され過酷な労働を強いられる。
知識や教養を持ったソロモンの目を通して、当時の黒人奴隷の置かれた過酷な状況が淡々と描かれていて、見ていてひたすら胸が苦しくなった。

そして、ただ白人が黒人を差別し搾取するってだけじゃなく、黒人の中にもソロモンのような「自由黒人」がいたり、白人の正妻となり自身も奴隷を使う立場になった黒人がいたり、白人の中にもブラピの役の人のように奴隷制度に反対する白人もいて、単純には語れない面があるんだよね。

特に白人側の描写が印象的。
最初の農場主フォードは紳士的で黒人に対して同情したりする一面もあるけど、基本的には奴隷制度に順応していて、黒人のことは財産としてしか見てない。
大工のティビッツは弱いもの苛めする卑怯で卑屈な差別主義者。
そして2番目の農場主エップスは黒人を蔑み嫌悪してるのに、黒人奴隷のパッツィーに惹かれ、その矛盾した心を抑えつけるために彼女を虐待する。

冷酷で残酷なんだけれど、その根底には弱さが見え隠れしているんだよね。
弱さや卑屈さが差別を生むっていうのは、ある意味普遍的で、決して過去の話で終わらせられない話だと思う。
見終わって自分がソロモンの立場だったら、あるいは白人の立場だったら等、いろいろと考えされました。

あと、出演者の演技が素晴らしかった。
主役のイジョフォーや、オスカー取ったルピタ・ニョンゴも良かったけど、一番印象に残ったのはエップス役のマイケル・ファスベンダーだな。
特にパッツィーを鞭打つシーンの鬼気迫る演技が凄かったです。
それからティビッツ役のポール・ダノも良かった。
こういう小者臭のする嫌な奴をやらせたらめちゃくちゃハマるなぁ。


それでも夜は明ける [DVD]

それでも夜は明ける [DVD]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • メディア: DVD



nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0