映画『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』（2013年アメリカ）

原題：Nebraska

『ファミリー・ツリー』や『サイドウェイ』のアレクサンダー・ペイン監督作。
父と息子が旅を通して絆を取り戻す様子を描いたロードムービー。
父親役のブルース・ダーンがカンヌ映画祭の主演男優賞を受賞、アカデミー賞でも６部門にノミネートされていました。

宝くじが当たったというインチキな手紙を信じモンタナから遠く離れたネブラスカまで旅することにした父親ウディと、それに渋々付き添うことになった息子のデイヴィッド。
途中立ち寄った父親の故郷で、父親の意外な過去を知る…

やっぱりアレクサンダー・ペイン監督の作品好きだなぁ。
この作品もかなりツボにはまりました。
どっちかっていうと負け組な人々の姿を時にユーモラスに、時に辛辣に描いてあるんだけど、それでもラストにはグッとくるものがあるんだよね。

特に登場人物たちのキャラクターが個性的で面白い。
主人公ウディは頑固で無口でちょっぴりボケた老人なんだけど、なんか愛らしい面もあって憎めない。
ブルース・ダーンの演技が素晴らしかったです。
それからウディの妻役のジューン・スキッブもめちゃくちゃ印象的。
下ネタ連発の毒舌婆さんなのに、これまたなんだか可愛く見えてしまう不思議。
お墓の前でスカートまくり上げるシーンとかめっちゃ笑えます。
その他、がめつい親戚や知人のキャラもけっこう強烈。
そんな個性的な人々に翻弄されるちょっとお人よしな息子のキャラも良かった。

そしてその次男が父親のために最後に取る行動が泣かせるんだ。
家族っていいなぁと素直に思わせてくれます。

あと、アメリカ中西部の閑散とした町の風景がモノクロだとすごく美しく見えるんだよね。
作品の内容や雰囲気とも合ってるし、モノクロにしたのは正解だなぁって思う。

地味だけれど、素敵な作品。
オススメです。

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 [Blu-ray]

• 出版社/メーカー: 東宝
• メディア: Blu-ray

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