映画『英国王のスピーチ』（2010年イギリス=オーストラリア）

原題：THE KING'S SPEECH

アカデミー賞で最多部門にノミネートされたイギリス映画。
史実を元に吃音に悩む英国王ジョージ６世と、風変わりなスピーチセラピストの姿を描いた作品です。
監督はドラマ「エリザベス1世」のトム・フーパー。

イギリス王室の話だし一見お堅い歴史映画っぽいけど、これが意外とそうでもない。
セラピストのローグはヨーク公（のちのジョージ６世）のことを“バーティ”と呼び対等な立場で治療にあたろうとする。
歌わせたり、悪態つかせて“Ｆワード”連発させたりとローグの治療法はユニークでコミカルで見ていてくすっと笑えます。
そして笑いながらもジョージがコンプレックスに向き合い克服しようとしていく姿には胸を打たれる。
ローグとジョージとの間に徐々に芽生えていく奇妙な友情関係もとても良いんだな。
終盤、吃音を克服し国民に向けて真摯にスピーチするジョージ６世の姿にはじーんときてしまいます。

２人の関係だけでなく奥さんとの関係の描き方もステキだし、第二次大戦へと突き進む時代の移り変りも上手く取り入れて描かれていて地味ながらとても味わい深い作品になっていました。

あと俳優たちの演技も見所。
中でもやっぱりコリン・ファース。
吃音の演技はもちろん、コンプレックスを持つ苦悩や英国王としての重圧を見事に演じきっていて素晴らしかったです！！
で、コリンといえば「高慢と偏見」のMr.ダーシーなのだけどリジー役のジェニファー・イーリーがローグの奥さん役で出てたのも嬉しかったな。

脇を固めてる人たちもみんな的確で上手いんだよね。
ジェフリー・ラッシュは破天荒な人物をとっても魅力的に演じていて上手い。
久々に普通な役どころなヘレナ・ボナム・カーターもすっごく上品でチャーミングで素敵でした。

英国王のスピーチ スタンダード・エディション [Blu-ray]

• 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
• メディア: Blu-ray

タグ：2011年映画館 イギリス映画 トム・フーパー コリン・ファース ジェニファー・イーリー ヘレナ・ボナム・カーター ジェフリー・ラッシュ