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映画『シークレット・サンシャイン』(2007年韓国) [映画]

原題:SECRET SUNSHINE/密陽

『オアシス』、『ペパーミント・キャンディ』のイ・チャンドン監督作。
カンヌ映画祭でチョン・ドヨンが主演女優賞を受賞しています。

◎ストーリー◎
亡き夫の故郷である地方都市・密陽に幼い息子と共に移り住んだシングルマザーのシネ。
車の修理工場を営むジョンチャンは彼女に密かに想いを寄せている。
そんなある日、シネは最愛の息子を誘拐事件で失ってしまい、彼女の人生は大きく狂い始める…

◎感想◎
大きな悲劇に見舞われたとき、それも他人の手によって自分の幸せが奪われたとき、人はどうするのか。

シネは息子を殺された苦しみから逃れるためにキリスト教に救いを求め、一旦は苦しみから逃れる。
けれども自分が赦すはずだった犯人が自分と同じように神に縋りすでに赦されていた、その事実が彼女を絶望へと突き落とす。

人を赦すってことの難しさを凄く感じる。
自暴自棄になり徐々に常軌を逸していくシネの姿がなんとも哀れで痛々しくて。
でもそんな彼女をひたすら不器用に見守り続けるジョンチャンの姿に少し救われる。
シネはそんなジョンチャンのことなどほとんど気にかけもしないのだけれど、結局のところ彼女の悲しみを癒したのはそんなジョンチャンの愛だったのではないのかな。
もちろんシネの悲しみが完全に癒えたわけではないけれど、彼女はこの先ちゃんと生きていける、そう思える穏やかなラストシーンに希望を感じられて良かったです。

チョン・ドヨンとソン・ガンホの演技は本当に素晴らしい!!
ドヨンは『私にも妻がいたらいいのに』で笑顔がキュートな女優さんだなぁって思ってたんだけど、こういうヘビーな役も見事に演じていて見ごたえありました。
ガンホさんも地味な役どころながらとても良い演技を魅せてくれました。

それから無宗教な私だけどこの作品を見て神や宗教について少し考えてしまった。
苦しみから抜け出すために宗教や神は必要なのか?
シネのように苦しいときだけ縋り付いたって神が何かをしてくれるわけではなく、結局は心の問題なんだよね。
それをそっとささえるのが神や宗教の役目なのではないかな。
この作品でシネのために入信したジョンチャンのなかでいつしか祈りが生活の一部となっていたように、日々の支えとして神は有効なのだと、そんな風に感じました。


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