映画『ある愛の風景』（2004年デンマーク）

原題：BRODRE / BROTHERS

『アフター・ウェディング』に続きもう１本スザンネ・ビア監督作。
出演はウルリッヒ・トムセンとコニー・ニールセン。
ハリウッドでリメイク企画も進行しているデンマーク映画。

◎ストーリー◎
妻サラと２人の娘を持つ国連軍の兵士ミカエルは幸せな日々を送っていた。
しかし戦禍のアフガニスタンへ赴いた彼は、敵の捕虜となってしまい、撃墜され死亡したと思われたため、妻サラの元には訃報が届く。
悲しみにくれるサラの心の支えになったのは刑務所から出たばかりのミカエルの弟ヤニックだった。

◎感想◎
優等生だった兄と、家族の厄介者である弟、そして兄の妻。
兄の悲劇により、彼らの関係は大きく変わっていく。

題材はありがちなものなのだけれど、それぞれの心の微妙な変化や苦しみが丁寧に描かれていて見ごたえのある作品になっていました。

そしてその変化の下地となるのが、兄ミカエルの悲劇。
戦争でのむごい体験によって精神がズタズタになってしまうその痛々しさ。
苦悩が徐々に狂気へと化してしまうのが悲しい。
でも戦争によって壊れてしまった家族だけれど、それを救うのはやっぱり家族の愛なんですよね。
ラストシーンに少しほっとしました。

『アフター・ウェディング』よりもこっちの方が私は好きだなぁ。

それからこちらも役者たちが本当に巧い！（子役もめちゃ巧かった）
妻サラ役のコニー・ニールセンってデンマーク人だったんですねぇ。
でもデンマーク映画に出るのはこれが初めてらしい。
『閉ざされた森』とか『グラディエーター』とかに出てたからアメリカ人だと思ってた。
今までイマイチ印象に薄い女優さんだったけど、この役はとっても印象的で良かったです。
兄役の人はトマス・ヴィンダーベアの『セレブレーション』で長男役やってた人。
それから弟役の、ニコライ・リー・カースは、『しあわせな孤独』や『恋に落ちる確率』に出てた俳優さん。
ルックス的にもけっこう好きです。

ある愛の風景 スペシャル・エディション [DVD]

• 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
• メディア: DVD

タグ：北欧映画 デンマーク映画 スザンネ・ビア ウルリッヒ・トムセン コニー・ニールセン ニコライ・リー・カース