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映画『隠された記憶』(フランス=オーストリア=ドイツ=イタリア) [映画]

原題:CACHE / HIDDEN

『ピアニスト』のミヒャエル・ハネケ監督作。
主演はダニエル・オートゥイユとジュリエット・ビノシュ。
2005年のカンヌ映画祭で監督賞をはじめ3部門の賞に輝いています。


※ネタバレ注意!以下、詳しい内容に触れてます。








妻子と幸せな生活を送るキャスター、ジョルジュの元に差出人不明のビデオが届けられる。
そこに映し出されたのはジョルジュの家の風景と家族の日常だった。
そして次第にビデオの内容はエスカレートしていき、ジョルジュは幼い頃のある出来事を思い出す...

誰がビデオを送ったのか?
誰かに見られているという怖さと不気味さ。
緊張感に満ちていて一瞬たりとも気を抜けない。

でも普通のサスペンスやミステリー的なものを期待すると、期待を裏切られます。
ラストにきちんとしたオチがあるわけでないし。
「衝撃のラストカット」という宣伝文句はなんか違うような。。
あのラストシーンにも重要なものが隠されてるから、しっかりと見てほしいシーンではあるんだけど。。

衝撃って言えば、あのラスト30分前ぐらいのあるシーンはかなりショッキングだった!!
悲鳴上げてる人もいたくらい。

そんな衝撃も含めて、見終ってからもすごく後を引く。
結末とかいろいろ考えてしまうんですよねぇ。

単純に思い浮かぶのはジョルジュの息子とマジッドの息子との共謀説。
でもなんか最後のあの映像も隠し撮りされてるとも見えるし...
結局これって誰が犯人だとか、そんなことはさほど重要でないんだろうな。

だいたいどこからどこまでが盗撮なんだっていう疑問も湧いてくる。
後半出てくるジョルジュの子供時代の最後の遠くから引いて撮ってある映像。
最初は回想シーンかと思ったけど、ずーっと引きの同じ位置からだし、微妙に手ぶれしてるし、あれも盗撮っぽいんだよね。
そうなってくると、この盗撮映像には別の意味があるのかもて思えてしまって。
ジョルジュの心理を表したものとか?
結局何なのか、はっきりしたことは分からないんだけど。。

ジョルジュの隠された記憶=罪の意識。
それがあの盗撮映像によって露になる。
差別意識だったり階級意識だったり。
でもそれを押し隠そうとする彼の態度は傲慢で身勝手で。
そんな人間の嫌な面をじわりじわりと描いていく嫌らしさ。
最後の突き放し方といい、なんとも意地の悪い監督だなぁ。。

でも嫌いじゃない、っていうかけっこう好き。
他の作品もますます見たくなってしまった!
『ファニーゲーム』はもちろん、カフカの「城」を映像化した作品もあるそうで、すんごい気になる~


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  • 出版社/メーカー: タキコーポレーション
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