映画『セレブレーション』（1998年デンマーク）

原題：FESTEN / THE CELEBRATION

ラース・フォン・トリアーらと共にドグマ９５「純潔の誓い」を提唱したトーマス・ヴィンターベアによるドグマ作品第１作。
１９９８年カンヌ映画祭で審査員賞を受賞しています。

◎ストーリー◎
鉄鋼王ヘルゲの還暦を祝うパーティが催される。
長男クリスチャン、次男ミケルを始め、親戚の者達が続々と広大な屋敷に集まった。
やがて始まった晩餐会で長男の口から父親の驚くべき秘密が明かされる…

◎感想◎
幸せそうな家族の崩壊っていうのは良くある話なんだけど、これがなかなか一筋縄ではいかない。
冒頭の何か起こりそうなピリピリした雰囲気なんか、ちょっとホラー映画みたい。
自然光を使った映像が少し不気味で、でも妙に美しかったり。

そして父親の誕生パーティでの長男の爆弾発言！
予備知識なく見たから私も登場人物たちと一緒に一瞬固まっちゃったよ。
ここから家族、そして招待客たちまでもがどんどんおかしくなっていく。
壊れていくっていうより本性が出てくるって感じかな。
その様子がなんだか怖くもあり面白くもあり。
これ普通だったらもっと暗い話になると思うんだけど、妙な明るさがあるのがなんか凄い。。
穏やかだけど、でも何もかもが変わってしまっているラストも良かった。

ドグマっていうのは簡単に言っちゃうと余計な演出はやめようっていうことなのかな。
大げさな演出がない分リアリティが増すので、こういった作品にはとても効果的だと思う。
この奇妙な物語がとても生々しく感じられました。
今まで見たドグマ作品の中で一番良かった。
オススメはしにくい作品だけど、私はとても気に入ってしまいました！

セレブレーション【字幕版】 [VHS]

• 出版社/メーカー: ブロードウェイ
• メディア: VHS

タグ：デンマーク映画 トマス・ヴィンターベア